ファクタリングのデメリット7つ|使うべきでない人

更新日: 2026-07-23

目次

ファクタリングは「銀行に断られたときの現実的な選択肢」として役立つ資金調達ですが、万能ではありません。欠点もはっきりあります。

良いことばかり書いてある記事を読んで申し込むと、後で「こんなはずでは」となりがちです。だからこの記事では、申し込む前に知っておくべきデメリットを7つ、包み隠さずお伝えします。そのうえで「使ってはいけない人」と「それでも使う価値がある場面」まで正直に書くので、自分が使うべきかを冷静に判断できるはずです。

では、一番大きな欠点から順に見ていきます。

デメリット7つ

1. 手数料が高い

最大の欠点です。2社間方式(取引先に知られないやり方)だと、1回で請求書の金額の8〜18%程度が引かれます。50万円の請求書なら、手取りは41〜46万円です。

2. 年利に直すと、さらに重い

「1回10%」は軽く聞こえますが、45日の前倒しに10%払うのは年利換算で80%超です。カードローンの上限(年15〜20%)よりはるかに高いのが実態です。

手数料10%を年利に換算した比較図

この計算を知らずに使うのと、知って使うのとでは、経営判断の質がまったく違います。手数料の詳しい見方は別記事にまとめました。

手数料の相場と年利の考え方を見る

3. 繰り返すと資金繰りがむしろ悪化する

毎月使うと「来月の入金の1割」がずっと消え続けます。売上の利益率が10%を切る事業なら、利益がまるごと手数料に変わる計算です。つなぎのつもりが依存になる——これがこの取引のいちばん怖い形です。

4. 請求書の金額までしか調達できない

借入と違い、手元にある請求書の額が上限です。500万円必要でも、請求書が100万円分なら100万円弱しか作れません。大きな資金が必要なら、借入との組み合わせが必要になります(この点は後半の「使ってはいけない人」でも触れます)。

5. 取引先に知られるリスクがゼロではない

2社間方式でも、債権譲渡登記(譲渡の記録を法務局に残す手続き)を取引先が調べれば、理屈のうえでは知られる可能性があります。実際に調べられることはまれですが、「絶対にバレない」と断言する業者の言葉は信用しすぎないでください(方式ごとの違いは2社間と3社間の違いへ)。

6. 悪質業者が紛れている

「買い取り」の見た目をした違法な貸付業者が実在します。給料の買い取りをうたう業者は論外で、違法です。申し込む前に、見分け方を必ず確認してください。

違法業者の見分け方チェックリストを見る

7. 個人あての請求書は対象外

買い取ってもらえるのは原則、法人や事業者あての請求書です。個人のお客さん相手の商売(美容室・飲食店など)では使えません。その場合は、別の資金調達手段を検討することになります。

7つの欠点を踏まえると、「そもそも使わない方がいい人」がはっきりします。

使ってはいけないのはこんな人

正直に書きます。次に当てはまるなら、申し込む前に一度立ち止まってください。

  • 毎月使うことが前提になっている → 手数料で利益が消えます。恒常的な不足は、単価・経費・入金条件という根本の見直しが必要です
  • 利益率が1割を切っている → 手数料が利益を上回ります
  • 入金で業者に渡すお金を、別の支払いに使ってしまいそう → 2社間方式では契約違反になり、深刻なトラブルになります

もし恒常的な資金不足なら、ファクタリングより低コストの手段の方が向いています。

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逆に、次のような場面なら、デメリットを承知のうえで使う価値があります。

それでも使う価値があるのはこんなとき

  • 支払いが数日後に迫っていて、他の手段では間に合わない
  • 借入の記録を増やしたくない事情がある
  • 一時的な立て替え(大口受注の材料費など)で、入金されれば解消するのが明確

つまり、「出口が見えている一時的な谷」を越える道具としては優秀です。谷の底が見えないまま使う道具ではありません。

手数料を年利に直すと、常用してよいかが判断できます。

条件:使う前に計算する3つの数字

デメリットを頭で理解するだけでは足りません。

次の3つを計算してから判断してください。

1. 実際に受け取れる額

請求書の額面 - 手数料 - 諸費用 = 手取り

率ではなく、この金額で比べてください。

2. 年利に直すといくらか

手数料率 ÷ 入金までの日数 × 365 = 年利換算(目安)

手数料10%を入金まで30日の請求書に使えば、およそ120%相当です。

3. 年間で使うといくらになるか

1回の手数料 × 年間の回数 = 年間の負担

月10万円なら、年間120万円です。

この3つを紙に書くだけで、判断が変わることがあります。

抜ける計画は、月ごとの目標額に落とすと続きます。

手順:常用から抜ける道筋

すでに毎月使っている場合の話です。

1回で抜けようとしないでください。

段階を踏みます

  1. 年間の手数料を合計する——現状を数字にする
  2. 公庫に相談する——年1〜3%程度に置き換えられないか
  3. 資金化する額を毎月少しずつ減らす——一度に止めると資金が回りません
  4. 入金と支払いの日を見直す——構造そのものを変える

4つ目がいちばん効きます。

入金を早め、支払いを遅らせられれば、そもそも資金化が要らなくなります。

リスケ・支払条件の交渉の進め方を読む

決算書に残ることを知っておく

手数料は売上債権売却損として費用に計上されます。

金融機関は、この科目の金額から資金繰りの状態を読み取ります。

常用すると、次の融資が通りにくくなるという意味でも不利になります。

会計処理と消費税を読む

比較:先に検討すべき手段

デメリットを踏まえたうえで、順番を確認してください。

順番手段費用
1支払条件の交渉ゼロ
2遊休資産・在庫の現金化ゼロ(維持費も減ります)
3小規模企業共済の貸付年1.5%(加入している場合)
4マル経融資年2.70%
5公庫の一般貸付年1〜3%程度
6売掛金の資金化1回1〜20%

3番目を知らない経営者が実際にいます。

小規模企業共済に加入していれば、積み立てた範囲内で年1.5%で借りられます。

小規模企業共済とはを読む

遊休資産を売って資金を作る方法を読む

それでも使う価値がある場合

次のいずれかに当てはまるなら、費用を払う意味があります。

  • 手形の決済が明日——落ちなければ事業が止まります
  • 給与の支払日——遅配は人が辞める引き金になります
  • 大口の受注を逃す——仕入資金がなければ受けられません

「事業が止まるかどうか」が判断の基準です。

今日やる一歩

このページを閉じたら、最初にやることを1つだけ決めましょう。

  • まだ使っていない——手取り・年利換算・年間の負担の3つを計算する
  • すでに使っている——年間の手数料を合計し、公庫に相談の電話をする
  • 毎月使っている——入金と支払いの日を並べ、構造そのものを見直す

デメリットを知ったうえで、それでも必要かを判断してください。

まとめ

  • 最大の欠点は手数料。年利換算の重さを理解してから使う
  • 「毎月使う」「利益率が薄い」なら向いていない
  • 使うなら、業者選びで失敗しないことが最後の砦です

デメリットを理解したうえで使うと決めたら、あとは信頼できる会社を選ぶだけです。

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この記事は情報の提供が目的で、特定のサービスへの申し込みをすすめるものではありません。手数料や条件は必ず各社の公式サイトで最新のものを確認してください。

よくある質問

ファクタリングの最大のデメリットは何ですか?

手数料の高さです。2社間方式では請求書の8〜18%程度が引かれ、45日の前倒しに10%払うと年利換算では80%を超えます。カードローンの上限金利(年15〜20%)よりはるかに高いため、単発のつなぎに限定して使うべきです。

ファクタリングを使わない方がいいのはどんな人ですか?

毎月使うことが前提になっている人、利益率が1割を切っている人、取引先からの入金を業者に渡さず別の支払いに使ってしまいそうな人です。特に恒常的な資金不足は、手数料で利益が消えるだけなので、単価・経費・入金条件の根本的な見直しが必要です。

2社間方式なら取引先には絶対に知られませんか?

絶対とは言えません。債権譲渡登記をした場合、取引先が法務局で調べれば理屈のうえでは知られる可能性があります。実際に調べられることはまれですが、「絶対にバレない」と断言する業者の言葉は信用しすぎないでください。

デメリットがあっても使う価値があるのはどんなときですか?

支払いが数日後に迫っていて他の手段では間に合わないとき、借入の記録を増やしたくない事情があるとき、大口受注の材料費など入金されれば解消することが明確な一時的な立て替えのときです。出口が見えている一時的な資金の谷を越える道具としては優秀です。

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