リスケ・支払条件の交渉とは

このページは、お金を「借りて増やす」のではなく「出ていくのを遅らせる」方法を、はじめての方に向けて説明するものです。費用は原則かかりません。

交渉できる相手は主に3つ——銀行・仕入先・役所(税金と社会保険料)です。順に説明したあと、切り出し方の例文を載せます。

ひとことで言うと

支払う相手に事情を伝えて、支払時期や金額を一時的に変えてもらうことです。

手数料も利息もかからないため、費用の面ではすべての手段の中で最も安い方法です。それなのに後回しにされがちなのは、「言い出しにくい」からです。しかし、黙って支払いを遅らせるほうが関係は確実に壊れます。先に伝えることが、相手への誠意になります。

① 銀行への交渉:リスケジュール(リスケ)

「リスケ」とは、銀行への毎月の返済を一時的に減らす、または元金の返済を止めてもらう交渉のことです。たとえば毎月50万円の返済を、半年間だけ利息のみにしてもらう、といった形です。

知っておいていただきたいのは次の3点です。

  • 珍しいことではありません——金融庁も、金融機関に対して貸付条件の変更に柔軟に応じるよう求めています
  • 信用情報に傷はつきません——いわゆるブラックリストとは別の話です。ただしリスケ中は新規の借入が難しくなります
  • 経営改善計画が必要です——「いつまでに、どう立て直すか」を紙で示せると話が進みます

切り出し方は、支店の担当者に「返済条件の変更について相談したい」と電話で伝えるだけで構いません。滞納してから行くのではなく、滞納する前に行くのが決定的に重要です。

② 仕入先・外注先への交渉

買掛金や外注費の支払いを、1か月程度待ってもらう交渉です。ポイントは3つあります。

  • 支払えなくなる前に連絡する——期日を過ぎてからの連絡は信頼を大きく損ないます
  • いつ払えるかを具体的に言う——「少し待ってほしい」ではなく「◯月◯日に全額」あるいは「半分を期日に、残りを翌月末に」
  • 理由は簡潔に、正直に——大口の入金が遅れている、など事実を短く

電話や面談で伝える場合の例です。そのまま使っていただけます。

いつもお世話になっております。◯月末のお支払いの件でご相談です。大口の入金が翌月にずれた関係で、恐れ入りますが半額を期日に、残りを◯月◯日にお支払いする形をお願いできないでしょうか。以後の取引に影響が出ないよう、書面でお約束いたします。

全社に頼む必要はありません。金額の大きい1〜2社に絞って相談するのが現実的です。

③ 税金・社会保険料の猶予

税金と社会保険料には、法律で決められた猶予の制度があります。交渉というより、正式な手続きです。

  • 換価の猶予——原則1年、分割で納付できます。延滞税も一部軽減されます
  • 納税の猶予——災害や売上の急減など、特定の事情がある場合の制度です

詳しくは国税庁の納付が困難な方への案内にまとまっています。社会保険料は年金事務所が窓口です。

放置だけは避けてください。滞納を放置すると、最終的には売掛金や口座の差押えに進みます。差押えは取引先に知られるため、事業への影響が最も大きい結末です。相談の手順と持ち物は、次のページで詳しく説明しています。

税金を滞納しているときの動き方を読む

交渉だけで足りないときは

支払いを遅らせても、入ってくるお金が足りなければいずれ詰まります。その場合は、遅らせる交渉と並行して、入金を増やす・早める手段を組み合わせます。

意味がわかったら、次は比べます

言葉の意味と仕組みがつかめたら、次は自分の場合にどうかを見る番です。下のページで、条件や各社の違いを比べられます。

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