2社間と3社間の違い|手取り額の実例と伝え方

更新日: 2026-07-23

目次

2社間と3社間——言葉は堅いですが、違いはたった一つ、取引先を巻き込むかどうかです。

ただ、この一つの違いが、手数料・スピード・取引先との関係のすべてを変えます。この記事では比較表だけでなく、100万円の請求書で手取りがいくら変わるかの実例計算と、3社間を選ぶときの「取引先への伝え方」まで踏み込みます。

先に答え:比較表

2社間3社間
登場人物あなたと業者だけあなた+業者+取引先
取引先に知られる?知られない知られる(承諾が必要)
スピード最短その日数日〜1週間
手数料の目安※8〜18%2〜9%
入金の流れ取引先→あなた→業者取引先→業者へ直接

※目安です。実際は取引先の信用力・金額・会社ごとの審査で決まります。

「取引先に知られたくない・今日欲しい」なら2社間、「安くしたい・話せる関係」なら3社間。ここまでは基本のおさらいです。ここからは、選ぶ前に見てほしい「金額の実感」に踏み込みます。

同じ請求書でも、方式が違えば手取りは大きく変わります。

実例計算:100万円の請求書で手取りはいくら変わるか

仮に、2社間の手数料が10%、3社間が3%だったとします。

2社間(10%)3社間(3%)
手数料▲10万円▲3万円
債権譲渡登記の費用(かかる場合)▲数万円通常なし
手取り額約87〜90万円約97万円

差は最大10万円前後。毎月使えば年間100万円超の差になります。「取引先に知られたくない」という気持ちに、月いくら払うのか——この金額を見てから方式を決めてください。

もう1つ大事なのは、比べるべきは「手数料率」ではなく「振込額」だということ。登記費用・事務手数料など率の外側の費用があるため、見積もりでは必ず「結局いくら振り込まれますか」を確認します

なぜ2社間は高いのか(30秒で理解)

3社間では、取引先が「入金日に業者へ直接払います」と約束します。業者は回収が確実なので安くできます。

2社間では、取引先は何も知りません。入金はいつも通りあなたの口座に入り、あなたが業者に渡す流れです。「渡してもらえないリスク」の分、手数料が上がる——それだけの構造です。

この構造から、2社間を選んだ人には守るべき実務が生まれます。

2社間を選んだ人の「入金後」の実務

ここは意外と見落とされがちですが、一番トラブルになりやすい部分です。

  1. 入金日に、その日のうちに業者へ送金する。取引先からの入金は「あなたのお金」ではなく「業者に渡すお金」です。別の支払いに使うと重大な契約違反で、法的トラブルに直結します
  2. 入金口座を分けておくと事故が防げます。ファクタリング対象の請求書の入金口座を普段の支払い口座と分ければ、うっかり使ってしまう事故を構造的に防げます
  3. 取引先の入金が遅れたら、すぐ業者に連絡。黙って遅れるのが一番心証を悪くします。売掛金の入金が遅れたときの動き方も参考に
  4. 帳簿づけは、手数料分を「売上債権売却損」などの費用として処理するのが一般的です(どちらの方式でも同じ。詳細は顧問税理士に確認を)

また、2社間では債権譲渡登記(「この請求書は譲渡済み」と法務局に記録する手続き)を求められることがあります。登記費用が数万円かかるうえ、登記情報は誰でも閲覧できます。「登記なし(登記留保)でできますか」は見積もり時の必須質問です。なお個人事業主はそもそも登記できないため、「登記なしOK」の会社を選びます(個人事業主向け比較)。

3社間では取引先の承諾が要るため、伝え方が結果を左右します。

3社間を選ぶ人へ:取引先への伝え方

3社間の最大の壁は「取引先にどう切り出すか」です。そのまま使える枠組みを置いておきます。

「経理の仕組みの変更」として伝える: 「請求書の管理を外部の決済会社に委託することにしました。お支払先の口座が変わりますが、金額や支払日は今まで通りで、お手間は口座変更のみです」

ポイントは3つ——「資金繰りが苦しくて」ではなく「経理の仕組み」として話す/変わるのは振込先だけで負担は増えないと明確にする/継続的な取引で関係の深い相手から試す。大手企業も債権管理の仕組みとして普通に使う取引なので、事務的なトーンで話すほど自然に通ります。

承諾を断られたら? 無理に押さないでください。その請求書は2社間に切り替えるか、別の取引先の請求書で3社間を組む——両方式に対応する会社(株式会社No.1など)なら、この切り替えが1社で完結します。

契約前の最終チェックリスト(両方式共通)

どちらの方式でも、契約書でこの4つを確認してから署名してください。

  • 償還請求権なしか(取引先が倒れてもあなたに返済義務がない)——「あり」は実質的な貸付けで危険(違法業者の見分け方
  • 買戻し特約がないか(実質「償還請求権あり」と同じ効果を持つ条項)
  • 登記の有無と、その費用は誰が負担するか
  • 手数料以外の費用(事務手数料・出張費・違約金)の全項目

方式の違いは以上です。速さと秘匿を取るなら2社間(入金後の即日送金を厳守)、安さを取るなら3社間(事務的トーンで伝える)——決まったら、次は会社選びです。

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この記事は情報の提供が目的で、特定のサービスへの申し込みをすすめるものではありません。手数料や条件は必ず各社の公式サイトで最新のものを確認してください。

条件:債権譲渡登記を求められたら

2社間では、債権譲渡登記を求められることがあります。

まず、これが何かを確認してください。

債権を譲り受けたことを、第三者に対して主張できるようにする手続きです。

確認すべき3点

  1. 登記は必要か——不要で進められる契約もあります
  2. 費用は誰が負担するか——数万円かかることがあります
  3. 取引先に知られるか——登記は公開の情報ですが、取引先が能動的に調べないかぎり自動的には伝わりません

3つ目を心配される方が多いはずです。

ただし「絶対に知られない」とも言い切れません。

知られたくないことが条件なら、登記なしで進められる会社を探すのが確実です。

取引先に知られずに資金調達する方法を読む

手順:どちらを選ぶかの判断

次の順に考えると、迷いません。

質問はいいいえ
取引先に知られると困るか2社間次へ
取引先は債権譲渡に慣れていそうか3社間(手数料が下がります)次へ
時間に余裕があるか3社間を打診してみる2社間

意外に思われるかもしれませんが、3社間で進むケースは少なくありません。

取引先が大企業や官公庁の場合、債権譲渡の手続きに慣れていることがあります。

「知られたら終わり」と決めつける前に、相手がどういう会社かを考えてみてください。

両方の見積もりを取る

迷ったら、両方の条件を聞いてください。

金額の差を見てから決めるほうが、後悔がありません。

注意点:2社間で守るべき約束

2社間を選んだ場合、必ず守っていただきたいことがあります。

取引先からの入金があった日に、その場で送金してください。

使ってしまうと、契約違反になります。そこから取引先への通知に至ることがあります。

「今月は苦しいから来月に」は通りません。預かっているお金だからです。

手数料の相場と年利換算を読む

よくある質問

2社間と3社間はどちらを選ぶべきですか?

取引先に知られたくない・今日中に資金化したいなら2社間、手数料を抑えたい・取引先に事情を話せる関係なら3社間です。実際には利用者の大半がスピードと秘匿性を理由に2社間を選んでいます。

なぜ2社間の方が手数料が高いのですか?

業者側のリスクが大きいからです。3社間では取引先が業者に直接支払うため回収が確実ですが、2社間ではいったんあなたの口座に入金され、あなたが業者に渡す流れになります。この「渡してもらえないリスク」の分が手数料に上乗せされます。

3社間にすると取引先との関係が悪くなりませんか?

伝え方次第です。「経理の仕組みとして債権管理を外部化する」という枠組みで説明すれば、大手企業でも普通に使われている取引です。ただし相手の社風によっては信用不安と受け取られる可能性もあるため、関係の深い取引先から試すのが安全です。

2社間で取引先からの入金を他の支払いに使ってしまったらどうなりますか?

重大な契約違反です。入金されたお金は業者に渡すべきお金であり、流用すると法的トラブル(損害賠償や、悪質な場合は刑事問題)に発展し得ます。入金日に即日送金するルールを自分に課してください。

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