借入が多く追加融資が出ないとき|理由から次を決める

更新日: 2026-08-07

この記事でわかること

  • 断られる理由は主に3つで、それぞれ次の一手が違うこと
  • 借入の一覧を作らないと、どの相談も前に進まないこと
  • 各都道府県に、無料で相談できる公的な窓口があること
  • 借入を増やさずに現金を作る方法があること
  • 毎月の返済額を下げる交渉が、いちばん効くこと
目次

売上はある。仕事も回っている。それでも銀行から「今回は難しい」と言われる。

このページでは、断られた理由ごとに、次に何をするかを説明します。

最初に、断られる理由が3つに分かれることをお伝えします。次に、それぞれの次の一手を説明します。そのあと、借りずに現金を作る方法をお示しします。最後に、相談できる窓口をご案内します。

まず結論:断られる理由は主に3つ

まず、原因を切り分けます。ここを間違えると、間違った努力をすることになります。

理由によって、次にやることがまったく違います。

断られた理由起きていること次の一手
返済負担が重い利益に対して毎月の返済が大きすぎる返済条件の変更を申し入れる
保証枠が一杯信用保証協会の枠を使い切っているプロパー融資か、枠を空ける
決算の内容赤字や債務超過が続いている決算書を見ない手段へ切り替える

理由を聞くことから始めます

断られたとき、多くの方はその場を離れてしまいます。ですが理由を聞かないと、次の手が決まりません。

聞き方の例です。

今回はご期待に添えず残念です。今後のために教えていただきたいのですが、いちばん引っかかった点はどこでしたでしょうか。返済の負担でしょうか、それとも決算の内容でしょうか。

「返済の負担か、決算の内容か」と二択で聞くのがコツです。担当者も答えやすくなります。

断られたその場で、理由を1つだけ聞いておきます。

理由1:返済負担が重い場合

いちばん多いのがこれです。

新しく借りるより先に、いま払っている額を下げるほうが効きます。

返済条件の変更(リスケジュール)を申し入れます。元金の返済を一定期間止める、返済額を減らして期間を延ばす、といった形です。

知っておいていただきたいことが2つあります。

1つ目。信用情報に傷がつくわけではありません。

2つ目。ただし条件変更の期間中は、新規の借入が難しくなります。

つまり「借りる」と「返済を減らす」は同時にできません。どちらが自社にとって現実的かを先に決めてください。

進め方と伝え方は、次のページにまとめています。

リスケ・支払条件の交渉の進め方を読む

理由2:保証枠が一杯の場合

信用保証協会の保証が付いた融資を重ねていると、枠を使い切ることがあります。

この場合に取れる手は2つです。

1つ目は、保証の付かない融資(プロパー融資)です。金融機関が自らリスクを負うため、審査は厳しくなります。取引の実績と決算の内容が問われます。

2つ目は、枠を空けることです。既存の借入を返済していけば、その分だけ枠が戻ります。時間はかかりますが、確実な方法です。

どちらも短期では解決しません。目の前の資金が必要なら、次の章の「借りない方法」へ進んでください。

理由3:決算の内容の場合

赤字や債務超過が続いていると、決算書を見る融資は通りにくくなります。

ここで発想を変えます。決算書を見ない資金調達があります。

売掛金を買い取ってもらう方法です。借入ではないため、審査で主に見られるのは自社の決算ではなく、取引先の支払い能力です。

赤字でも、税金の滞納があっても使える場合があるのは、この仕組みによります。

赤字決算・債務超過のときを読む

比較:借入を増やさずに現金を作る

ここからが実務です。負債を増やさない方法を、効果の大きい順に並べます。

入金を早める交渉

いちばん効きます。しかも費用がかかりません。

取引額の大きい取引先に、締めの回数を月1回から月2回にしてもらえないか相談してください。相手にとって支払総額は変わらないため、通りやすい交渉です。

実質的な立替期間が半分になります。効果は毎月続きます。

借入の一覧を作ると、どこから相談すべきかが見えます。

出ていくお金を遅らせる

仕入先への支払いを待ってもらう方法があります。銀行振込しかできない支払いを、代行会社を通じてカード決済に置き換える方法もあります。

請求書のカード払いとは

売掛金を資金化する

取引先に出した請求書を、入金日より前に現金にします。

借入ではないため、負債が増えません。追加融資が出ない状況では、この点が大きな違いになります。

ただし費用は重くなります。毎月使えば、借入の返済に加えて手数料まで背負うことになります。

一時的な穴埋めとして使い、その間に返済条件の変更を進めるのが現実的な組み合わせです。

手数料の相場と年利換算を読む

手順:借入の一覧を作る

どの相談をするにしても、これが土台になります。

紙でも表計算でも構いません。次の6つを並べるだけです。

  • 借入先(金融機関の名前)
  • 当初の借入額
  • 現在の残高
  • 毎月の返済額
  • 完済の予定日
  • 保証協会の保証が付いているかどうか

作ると2つのことが分かります。

1つ目は、毎月の返済額の合計です。複数から借りていると、合計を把握していないことがあります。

2つ目は、どこから相談すべきかです。残高が大きい先ほど、条件変更の効果も大きくなります。

作るまで30分で終わります。ここが無いと、銀行との面談が雑談で終わります。

種類:相談できる窓口

1人で抱えないでください。公的な窓口があります。

中小企業活性化協議会が各都道府県に設置されています。金融機関との調整や、経営改善の計画づくりを支援する機関です。

商工会議所・商工会でも経営の相談を受け付けています。マル経融資の窓口も兼ねているため、あわせて聞いておく価値があります。

マル経融資は無担保・無保証人で、金利は年2.70%です(2026年8月3日現在・特別利率F)。融資限度額は2,000万円、返済期間は10年以内で据置期間を2年以内で設定できます(出典: 日本政策金融公庫「マル経融資」・2026年8月7日確認)。

ただし、商工会議所の経営指導を受けてから申し込むまでに時間がかかります。いま苦しくなくても、先に相談だけしておく価値があります。

公的融資とは(公庫・制度融資・マル経)

条件が合いそうであれば、見積もりを取るところからです。相談だけであれば費用はかかりません。

ゼロゼロ融資の返済がきついときの対処を読む

今日やる一歩

このページを閉じたら、最初にやることを1つだけ決めましょう。

  • 断られたばかり——担当者に電話し、引っかかった点を1つだけ聞く
  • 理由が分かっている——借入の一覧を作る。30分で終わります
  • 今月が厳しい——取引額の大きい取引先に、締め回数の変更を相談する

条件(時間・立場・金額)から絞り込む

参考にした公的資料

このページは、資金調達と公的制度の判断材料をお伝えするものです。特定のサービスの利用を勧めるものではありません。融資の可否や条件変更の進め方は、取引金融機関および公的な相談窓口へご確認ください。金利や制度の内容は変わることがあります。

よくある質問

借入が多いと、なぜ追加融資が出なくなるのですか?

理由は主に3つです。1つ目は返済額が利益に見合っていないこと。2つ目は信用保証協会の保証枠が一杯になっていること。3つ目は決算の内容です。どれが原因かで次の一手が変わるため、断られたときに理由を聞くことが重要になります。

借入を増やさずに現金を作る方法はありますか?

あります。売掛金を買い取ってもらう方法は借入ではないため、負債が増えません。審査で主に見られるのは自社ではなく取引先の支払い能力です。ほかに、支払いを遅らせる交渉、資産の売却、入金サイトの短縮交渉があります。

毎月の返済額を減らすことはできますか?

返済条件の変更(リスケジュール)を金融機関に申し入れる方法があります。元金の返済を一定期間止める、返済額を減らして期間を延ばす、といった形です。信用情報に傷がつくわけではありませんが、変更中は新規の借入が難しくなります。

無料で相談できる窓口はありますか?

中小企業活性化協議会が各都道府県に設置されています。金融機関との調整や、経営改善の計画づくりを支援する機関です。商工会議所や商工会でも経営の相談を受け付けており、マル経融資の窓口も兼ねています。

30秒診断で探す 今日中に必要な方へ