ゼロゼロ融資の返済がきついとき|借換保証は終了

更新日: 2026-08-07

この記事でわかること

  • 全国向けのコロナ借換保証は2024年6月末で受付が終わっていること
  • いま現実的に取れるのは、返済条件の変更(リスケジュール)の相談であること
  • リスケでは信用情報に傷はつかないが、新規の借入が難しくなること
  • 銀行に相談するときに持っていくものと、伝え方
  • 元金の返済を止めている間に何をするか
目次

据置期間が終わり、元金の返済が始まった。売上はコロナ前まで戻っていない。それでも返済額は毎月出ていく。

このページでは、いま現実的に取れる手は何かを説明します。

最初に、よく紹介される制度がすでに使えないことをお伝えします。次に、いま取れる手を説明します。そのあと、銀行への相談の進め方をお示しします。最後に、返済を止めている間にやることに触れます。

まず結論:コロナ借換保証はもう使えない

調べていると「コロナ借換保証」という制度が出てくると思います。

全国向けの新規申込みは、2024年6月末で受付が終わっています。

中小企業庁の公式ページに、2024年6月末で申込受付終了と記載されています(出典: 中小企業庁「コロナ借換保証」・2026年8月7日確認)。

例外が1つだけあります。令和6年能登半島地震の被害を受けた石川県内の災害救助法適用地域です。石川県信用保証協会への保証申込分に限り、2026年9月30日まで(予定)取扱いが延長されています。

該当地域の方は、まず石川県信用保証協会へお問い合わせください。

それ以外の地域では、この制度は選択肢になりません。古い記事を見て期待すると、時間を失います。

仕組み:いま取れる手はリスケの相談

では、何ができるか。いちばん現実的なのは、返済条件の変更を銀行に申し入れることです。

リスケジュール、略してリスケと呼ばれます。

内容は、たとえば次のようなものです。

  • 毎月の元金の返済を、一定期間止める(利息だけ払う)
  • 毎月の返済額を減らし、その分だけ期間を延ばす
  • 返済の開始時期を後ろにずらす
条件変更は珍しいことではありません。期日の前に相談します。

知っておいていただきたい3つのこと

1つ目。信用情報に傷がつくわけではありません。いわゆるブラックリストとは別の話です。

2つ目。ただし条件変更の期間中は、新規の借入が難しくなります。ここは正直な事実です。

3つ目。経営改善の計画が必要になります。「いつまでに、どう立て直すか」を紙で示せるかどうかで、話の進み方が変わります。

手順:銀行へ相談する

ここが実務です。順を追って説明します。

滞納する前に連絡する

これが最も重要です。

期日を過ぎてからの連絡は、事故の報告になります。期日の前であれば、相談として扱われます。

金融機関の側にも社内の手続きがあります。時間を渡してあげてください。

電話での第一報

◯◯株式会社の◯◯と申します。お借入れの返済条件についてご相談させてください。 ◯月からの元金のご返済が難しい見込みですので、お伺いしてご説明させていただければと存じます。

長い説明は電話では不要です。会う約束を取ることだけが目的です。

持っていくもの

  • 直近の決算書(2〜3期分)
  • 直近の試算表
  • 今後12か月の資金繰り表
  • 借入の一覧(どこから、いくら、毎月いくら返しているか)
  • 経営改善の計画(簡単なもので構いません)

借入の一覧は、必ず自分で作ってください。複数の金融機関から借りている場合、全体像を把握していないと相談になりません。

借入の一覧と資金繰り表が、相談の土台になります。

面談での伝え方

現在、御行を含めて◯件、合計◯◯円の借入がございます。毎月の返済は合計◯◯円です。 直近の月商は◯◯円で、返済後の手元が毎月◯◯円のマイナスになっております。 つきましては、◯か月間、元金のご返済を止めていただけないでしょうか。その間に◯◯を実施し、◯月には月商を◯◯円まで戻す計画です。

数字を自分から出せるかどうかが分かれ目です。

「厳しいので何とかしてほしい」では、相手は判断できません。金額と期間と、その後の見通しを言葉にしてください。

複数行から借りている場合

1行だけに相談しても、全体は解決しません。原則として、すべての金融機関に同じ内容で申し入れます。

どの順番で回るか、どう説明するかは判断が要ります。中小企業活性化協議会など、公的な相談窓口を使う方法もあります。

比較:返済を止めている間にやること

条件変更が認められても、それは時間を買っただけです。

その時間で何をするかが、結果を決めます。

出ていくお金を見直す

止めた返済額を、そのまま運転資金に回すだけでは元に戻りません。固定費を1つずつ見ます。

  • 使っていないサブスクや保守契約
  • 稼働の少ないリース資産
  • 事務所の広さ

入ってくるお金を早める

売上を増やすのは時間がかかります。先に、入金を早めるほうが確実です。

取引先に、締めの回数を月1回から月2回にしてもらえないか相談してください。相手にとって支払総額は変わらないため、通りやすい交渉です。

リスケ・支払条件の交渉の進め方を読む

つなぎが必要なとき

条件変更中は新規の借入が難しくなります。それでも支払いに間に合わない月があるかもしれません。

そのときは、取引先に出した請求書を買い取ってもらう方法があります。借入ではないため、審査で主に見られるのは自社ではなく取引先の支払い能力です。

ただし費用は重くなります。毎月使えば、返済を止めた意味がなくなります。あくまで一時的な穴埋めです。

手数料の相場と年利換算を読む

条件:相談の土台になる借入の一覧を作る

相談の土台になるのが借入の一覧です。ここが無いと話が始まりません。

作り方は簡単です。紙でも表計算でも構いません。次の6つを並べるだけです。

  • 借入先(金融機関の名前)
  • 当初の借入額
  • 現在の残高
  • 毎月の返済額
  • 完済の予定日
  • 保証協会の保証が付いているかどうか
毎月の返済額の合計と、手元に残る額を突き合わせます。

これを作ると、2つのことが分かります。

1つ目は、毎月の返済額の合計です。複数から借りていると、合計をきちんと把握していないことがあります。

2つ目は、どこから先に相談すべきかです。残高が大きい先ほど、条件変更の効果も大きくなります。

一覧ができたら、返済額の合計と、月末に手元に残る額を並べてください。マイナスの月がいくつあるかが、そのまま相談で話す内容になります。

種類:使える公的な相談窓口

1人で全金融機関と交渉するのは負担が大きいところです。

公的な相談窓口があります。中小企業活性化協議会といい、各都道府県に設置されています。金融機関との調整や、経営改善の計画づくりを支援する機関です。

相談したからといって、条件変更が必ず認められるわけではありません。ただ、進め方を教えてもらえるだけでも、動きやすくなります。

商工会議所や商工会でも、経営の相談を受け付けています。マル経融資の窓口でもあるため、あわせて聞いておく価値があります。

公的融資とは(公庫・制度融資・マル経)

条件が合いそうであれば、見積もりを取るところからです。相談だけであれば費用はかかりません。

今日やる一歩

このページを閉じたら、最初にやることを1つだけ決めましょう。

  • 来月の返済が厳しい——取引銀行の担当者に電話し、面談の約束を取る
  • まだ数か月は持つ——借入の一覧を作る。どこから、いくら、毎月いくら返しているか
  • 石川県の被災地域——石川県信用保証協会に問い合わせる

借入の一覧は、作るまで30分で終わります。これが無いと、どの相談も前に進みません。

借入が多く追加融資が出ないときを読む

参考にした公的資料

このページは、資金調達と公的制度の判断材料をお伝えするものです。特定のサービスの利用を勧めるものではありません。条件変更の可否や進め方は、取引金融機関および公的な相談窓口へご確認ください。制度の内容は変わることがあります。

よくある質問

コロナ借換保証はまだ使えますか?

全国向けの新規申込みは2024年6月末で受付が終了しています。中小企業庁の公式ページにその旨が記載されています。例外として、令和6年能登半島地震の被害を受けた石川県内の災害救助法適用地域については取扱いが延長されており、石川県信用保証協会への保証申込分に限り2026年9月30日まで(予定)とされています。

返済条件の変更をお願いすると、信用情報に傷がつきますか?

いわゆるブラックリストとは別の話です。ただし条件変更中は、新規の借入が難しくなります。また金融機関の内部での評価には影響します。だからこそ、変更を申し入れる前に、いつまでにどう立て直すかを示す計画が必要になります。

銀行に相談するのは、滞納してからでよいですか?

滞納する前に相談してください。期日を過ぎてからの連絡は「事故の報告」になりますが、期日の前であれば「相談」として扱われます。金融機関の側も、社内で処理する時間が必要です。返済が難しいと分かった時点で連絡するのが最善です。

条件変更中でも資金調達はできますか?

新規の借入は難しくなります。一方、売掛金を買い取ってもらうファクタリングは借入ではありません。審査で主に見られるのは取引先の支払い能力のため、利用できる場合があります。ただし費用は重いため、条件変更で毎月の負担を下げるほうが先です。

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