延滞税はいくらになるか|割合と計算の順番
更新日: 2026-08-28
この記事でわかること
- 延滞税が自動的に課される三つの場面と、本税だけが対象になる仕組みを具体的に確認できます
- 令和8年の年2.8%と年9.1%を含む、年ごとの具体的な割合を一覧表で確認できます
- 法定納期限と、割合の切り替えに使う納期限との違いを三つのケースで分かりやすく整理します
- 二つの期間に分けて計算する順番と、国税庁の計算画面が使える範囲と条件を解説します
- 修正申告などに関する計算期間の特例と、換価の猶予による免除の関係をまとめて確認できます
目次
まず結論:2か月を境に、年2.8%から年9.1%に上がります
税金を期限までに納付しないと、原則として延滞税がかかります。起算日は法定納期限の翌日です。そこから完納する日までの日数に応じて計算されます。
最初に押さえたいのは、割合が一つではないことです。割合は、基準となる納期限からの期間によって2段階に分かれます。
令和8年1月1日から令和8年12月31日までの割合を見てみましょう。納期限の翌日から2か月を経過する日までは年2.8%です。2か月を経過した日以後は年9.1%になります。
したがって、確認の順番が大切です。まず法定納期限を見ます。次に、割合の境目に使う「納期限」がどの日かを確かめます。
そのうえで、2か月までと2か月経過後に期間を分けます。各期間の金額を計算し、最後に合計する流れです。
法定納期限と、割合の切り替えに使う納期限は同じとは限らないため、本記事では違いをケース別に整理します。
仕組み:延滞税がかかるのは本税だけです
延滞税は、税金が定められた期限までに納付されない場合に課されます。原則として、法定納期限の翌日から納付する日までが対象です。日数に応じ、利息に相当する延滞税が自動的に課されます。
課される場面は、次の三つです。
- 申告などで確定した税額を、法定納期限までに完納しないとき
- 期限後申告書または修正申告書を提出し、納付すべき税額があるとき
- 更正または決定の処分を受け、納付すべき税額があるとき
一つ目は、申告などで税額が確定している場面です。法定納期限までに完納していないことが基準になります。
二つ目は、期限後申告書や修正申告書を提出し、納付しなければならない税額がある場合です。
三つ目は、更正または決定の処分を受けた場面です。ここでも、納付しなければならない税額があることが前提です。
延滞税は本税だけを対象として課され、加算税などに対しては課されません。
場面と対象を分けて読むと、仕組みを把握しやすくなります。まず三つのどれに当たるかを確認します。その後に、本税の納付状況を見ます。
費用:年ごとの割合を一覧にします
延滞税の割合は、二つの期間で異なります。一段階目は納期限までの期間と、その翌日から2か月を経過する日までです。二段階目は、納期限の翌日から2か月を経過した日以後です。
令和3年1月1日以後の一段階目を確認します。原則は年7.3%です。ただし、年7.3%と「延滞税特例基準割合+1%」のうち、低い割合が使われます。
二段階目の原則は年14.6%です。令和3年1月1日以後は、年14.6%と「延滞税特例基準割合+7.3%」を比べます。こちらも、いずれか低い割合です。
具体的な割合は、次のとおりです。
| 期間 | 納期限の翌日から2か月を経過する日まで | 2か月を経過した日以後 |
|---|---|---|
| 令和3年1月1日〜令和3年12月31日 | 年2.5% | 年8.8% |
| 令和4年1月1日〜令和7年12月31日 | 年2.4% | 年8.7% |
| 令和8年1月1日〜令和8年12月31日 | 年2.8% | 年9.1% |
表を見るときは、まず該当する年を選びます。次に、納期限から2か月以内か、その期間を経過した後かを確かめます。
令和4年から令和7年までは年2.4%と年8.7%です。一方、令和8年は年2.8%と年9.1%です。年と期間の両方を取り違えないように確認しましょう。
延滞税特例基準割合には、定められた考え方があります。各年の前々年9月から前年8月までの各月が対象です。その間の銀行の新規の短期貸出約定平均金利の合計を、12で除して得た割合を使います。
その割合は、各年の前年11月30日までに財務大臣が告示します。告示する割合に、年1%を加算した割合が延滞税特例基準割合です。
条件:2か月の境になる「納期限」は3通りあります
計算の出発点となる言葉は「法定納期限」です。これは、国税に関する法律の規定により、国税を納付すべき期限をいいます。原則として、法定申告期限と同じ日です。
延滞税の起算日は、法定納期限の翌日です。完納する日までの日数に応じて、延滞税の額を計算します。
一方、割合が切り替わる2か月の基準には「納期限」を使い、この納期限は次の三通りです。
| 申告や処分の状況 | 割合の切り替えに使う納期限 |
|---|---|
| 期限内に申告された場合 | 法定納期限 |
| 期限後申告または修正申告の場合 | 申告書を提出した日 |
| 更正・決定の場合 | 更正決定等通知書を発した日から1か月後の日 |
期限内に申告した場合は、法定納期限がそのまま納期限になります。起算日と割合の境目を考える際に、同じ日を基準として確認できます。
期限後申告や修正申告の場合は異なります。割合の切り替えに使うのは、申告書を提出した日です。法定納期限という言葉だけを見て、2か月の境を決めないようにします。
更正や決定の場合は、通知書の日付を確認します。納期限は、更正決定等通知書を発した日から1か月後の日です。
整理すると、起算日は法定納期限の翌日です。しかし、割合を切り替える基準日は、申告や処分の状況で変わります。起算日と2か月の基準を分けて確認することが重要です。
手順:期間を2つに分けて足します
延滞税の額は、法定納期限の翌日から完納する日までの日数に応じて求めます。二つの期間ごとに計算した金額の合計額です。
手順の最初に法定納期限を確認し、期限内申告、期限後申告や修正申告、更正や決定のどれに当たるかを見ます。
これにより、2か月の境となる納期限を特定できます。続いて、完納する日までの期間を、二段階の割合に合わせて分けます。
一段階目は納期限までの期間と、その翌日から2か月を経過する日までで、二段階目は2か月を経過した日以後です。
年ごとの表から、それぞれの期間に使う割合を確認します。各期間の金額を計算した後、二つの金額を足します。期間が一段階目だけなら、その期間に応じた計算になります。
国税庁のサイトには、延滞税を計算する画面があります。対象は、所得税と個人事業者の消費税及地方消費税です。
令和7年分、令和6年分、令和5年分の期限内申告、期限後申告と修正申告に対応しています。
ただし、利用できる範囲には条件があります。申告した本税額を一度に納付する場合、または一度に納付した場合に限られます。
更正・決定には対応していません。また、重加算税が課された場合にも対応していません。自分の状況が計算画面の対象か、先に照合してください。
注意点:1年を超えてからの修正申告には特例があります
一定の場合には、偽りその他不正の行為により国税を免れた場合等を除き、計算期間に含めない期間があります。
対象となる一つ目は、期限内申告書が提出されている場合です。法定申告期限後1年を経過してから、修正申告または更正があったときに当たります。
二つ目は、期限後申告書の提出後1年を経過してから、修正申告または更正があったときです。
三つ目は、確定申告書の提出後に減額更正がされた場合です。その後、さらに修正申告または更正があったときが対象になります。
三つ目の特例は、平成29年1月1日以後に法定納期限が到来する国税に適用されます。
計算から控除される期間も整理しておきましょう。法定納期限から1年を経過する日の翌日が、期間の始まりです。期限後申告では、申告書提出日から1年を経過する日の翌日になります。
期間の終わりは、修正申告書を提出した日または更正通知書を発した日です。この間が延滞税の計算期間から控除されます。
重加算税が課された場合を除くため、該当の有無と特例の三つの場面を順に見ます。
比較:猶予が認められると延滞税が免除される場合があります
国税を一時に納付することで、事業の継続が難しくなるおそれがある場合があります。生活の維持を困難にするおそれがある場合も対象です。こうしたときの手続に、換価の猶予の申請手続があります。
換価の猶予は、納期限から6か月以内に申請する手続です。申請を考える場合は、納期限と申請までの期間を確認します。
猶予が認められた場合、猶予期間中の延滞税の全部または一部が免除されます。
ここで比較するのは、通常の延滞税計算と猶予中の扱いです。通常は、法定納期限の翌日から完納日までの日数に応じます。猶予が認められた期間には、全部または一部の免除があります。
ただし、申請しただけでなく、猶予が認められた場合の扱いです。まず、換価の猶予の申請手続に当たる状況かを確認しましょう。
今日やる一歩
最初に、法定納期限と完納する日を確認し、まだ完納していなければ現在の状況を整理します。
次に、申告や処分の区分を見ます。期限内申告なら法定納期限、期限後申告や修正申告なら申告書提出日です。更正や決定なら、通知書を発した日から1か月後の日を確認します。
これで、割合の境目となる納期限が分かります。令和8年なら、2か月までの年2.8%と、経過後の年9.1%に期間を分けます。
令和7年分から令和5年分までの対象となる申告なら、本税額を一度に納付する場合に限り計算画面を使えます。
更正や決定、重加算税が課された場合は、その画面の対象外です。また、修正申告や更正が1年を超えた場合は、計算期間の特例に当たるかを確認します。
一時の納付で事業の継続や生活の維持が難しくなるおそれがあれば、納期限から6か月以内の換価の猶予申請を確認します。
今日の一歩は、日付を三つの区分に沿って並べることです。起算日、2か月の境、完納日を混同せず、順番に見ていきましょう。
参考にした公的資料
このページは資金調達の判断材料をお伝えするものであり、特定のサービスの利用を勧めるものではありません。制度や条件は変わることがあります。実際のお手続きの前に、必ず各機関・各社の公式サイトでご確認ください。
よくある質問
延滞税はいつからいつまでかかりますか?
原則として、法定納期限の翌日から税金を納付する日までの日数に応じて課されます。
令和8年の延滞税の割合はいくらですか?
納期限の翌日から2か月を経過する日までは年2.8%、その翌日以後は年9.1%です。
延滞税は加算税にもかかりますか?
延滞税は本税だけを対象として課され、加算税などに対しては課されません。
猶予中も延滞税は全額かかりますか?
猶予が認められた場合、猶予期間中の延滞税の全部または一部が免除されます。