整骨院の開業資金|受領委任までの順番
更新日: 2026-08-31
この記事でわかること
- 施術所を開設した者は、開設後10日以内に都道府県知事へ届け出ます。
- 受領委任の申し出には、施術所開設届の写しの添付が必要です。
- 施術管理者になるには、実務経験と研修の受講が要件に入っています。
- 順番が決まっているため、開業資金には待つ期間の分を含めます。
- 公庫の新規開業・スタートアップ支援資金は融資限度額7,200万円です。
目次
まず結論:保険の分が入る前に、順番が決まっています
整骨院の開業資金では、設備に使う分だけでなく、待つ期間に使う分も分けて考えます。保険の分が入るまでに、制度で決まった順番があるためです。
出発点は施術所の開設です。
開設した者は、開設後10日以内に施術所の所在地の都道府県知事へ届け出ます。
その後、施術所開設届の写しを添えて、受領委任の申し出をします。申し出が承諾されるまでは、保険の分を受領委任の形では扱えません。 流れを短くすると、開設、開設届、写しの添付、申し出、承諾です。この順番は入れ替えず、資金計画も同じ順に並べます。
大切なのは、承諾までの期間をゼロとして扱わないことです。いつ承諾されるかを決めつけず、その間を持ちこたえる分を開業資金に含めます。
整骨院の開業資金を決めるときは、最初に総額を置く必要はありません。まず、先に出る分とまだ受領委任で扱えない保険の分を分けます。 この二つを同じ欄に入れると、順番が見えにくくなります。開業前の計画では、制度の流れを資金の流れに重ねることが要点です。
仕組み:受領委任の申し出には、開設届の写しが要ります
受領委任の申し出では、申出書だけを提出するのではありません。個人の申し出では、施術所が所在する都県を管轄する事務所へ1部を提出します。
埼玉県の場合は指導監査課が提出先です。
郵送での提出もできます。
取扱いを受けようとするときに必要な様式は、次のとおりです。
- 確約書(様式第1号)
- 柔道整復施術療養費の受領委任の取扱いに係る申し出(様式第2号)
- 開設者と施術管理者が違う場合の施術管理者選任証明
- 申し出(同意書)(様式第2号の2)
- 誓約書(様式第2号の3)
様式とともに、複数の写しを添付します。ここで開設後の手続きが、受領委任の申し出へつながります。
- 施術所開設届・変更届の写し
- 該当する柔道整復師の免許証の写し
- 施術管理者研修修了証の写し
- 実務経験期間証明書の写し
この中に施術所開設届の写しがあるため、まず施術所を開設し、届出へ進みます。開設届は資金計画と受領委任をつなぐ書類として位置づけます。 写しを添えた申し出が承諾されるまでは、受領委任の形で扱う前の段階です。したがって、書類の準備状況は待つ期間の資金と切り離せません。
条件:施術管理者になるには、実務経験と研修が要ります
受領委任の取扱いを管理するのが施術管理者です。平成30年4月から、柔道整復師の資格に加え、資格取得後の実務経験と研修の受講が要件に入りました。
そのため、平成30年4月以降に受領委任の届出をするときは、従来の書類だけではありません。
実務経験期間証明書と研修修了証の写しも添付します。
開業資金を考え始める時点で、施術管理者の要件も一緒に確認します。書類の名前だけでなく、誰が施術管理者になるかまで決めておくためです。 平成30年3月末に施術管理者だった人も、対象になる場合があります。平成30年4月以降に新たに届出をし直す場合などは、同じ要件の対象です。
ここでは実務経験の年数を決めつけません。確認する要点は、実務経験と研修の両方が要件に入ることです。
開設者と施術管理者が違う場合は、施術管理者選任証明も必要になります。
人を決める作業と書類をそろえる作業を同じ予定表に置きましょう。
費用:先に出ていくお金と、まだ入ってこないお金
資金計画では、設備資金と運転資金を分けます。そのうえで、受領委任の申し出が承諾されるまでを支える分を運転資金側で見ます。
考え方は単純です。
開設から承諾までに出る分から、その期間に確保済みの分を引き、不足する分を別枠にします。
承諾の日を根拠なく固定する必要はありません。期間を決めつけないことと、期間の分を用意しないことは別です。 日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金は、新たに事業を始める方が対象です。事業開始後おおむね7年以内の方も対象に含まれます。
融資限度額は7,200万円です。返済期間は、設備資金が20年以内、運転資金が10年以内とされています。
据置期間はいずれも5年以内です。制度の数字を確認したら、設備の分と待つ期間の分を混ぜずに整理します。 融資限度額から必要額を逆算するのではありません。先に、自分の計画に必要な設備資金と運転資金を分けます。
整骨院の開業資金では、金額だけの表より日付を含む表が役立ちます。開設日、開設届、申し出、承諾という列を作れば、資金が必要な区間が見えます。
比較:待つ期間を埋める手段を、負担の軽い順に
ここでいう負担の軽さは、最初から必要以上の資金を増やさない順です。
まず制度上の順番を整え、次に不足する期間だけを資金の対象にします。
第一は、開設届と申し出の準備を一つの予定にすることです。
資金を増やす手段ではありませんが、必要な書類を別々に考えずに済みます。
開設後10日以内という期限と、開設届の写しが添付書類になる点を同時に置きます。期限と添付書類を一本化するのが出発点です。 第二は、すでに開業資金として確保する分の中で、待つ期間を別枠にすることです。設備資金へまとめず、承諾までを支える運転資金として見える形にします。
第三は、不足分について公庫の制度を確認することです。対象、融資限度額、設備資金と運転資金の返済期間、据置期間を分けて見ます。
公庫の制度では、設備資金20年以内と運転資金10年以内で返済期間が異なります。待つ期間の分は運転資金として区別して検討します。 比較の軸は、調達できる最大額だけではありません。制度上の順番に合わせて、必要な目的と期間を先に決めることが大切です。
手順:開設届から申し出までを、1本の線に並べます
手続きと資金を別々に管理すると、承諾までを支える分が抜けやすくなります。次の順番を、そのまま一つの線として書き出します。
- 施術所の構造設備が厚生労働省令で定める基準に適合するようにします。
- 施術所について、衛生上必要な措置を講じます。
- 施術所を開設し、開設日を起点として記録します。
- 開設後10日以内に、所在地の都道府県知事へ開設届を出します。
- 施術所開設届の写しと、ほかの添付書類を用意します。
- 必要な様式をそろえ、管轄の事務所へ受領委任の申し出をします。
- 申し出が承諾されるまでを、受領委任で扱う前の期間として資金に含めます。
開設届には、開設の場所や、業務に従事する柔道整復師の氏名を届け出ます。
その他、厚生労働省令で定める事項も対象です。
申し出では、施術管理者の要件を満たす書類も確認します。免許証、研修修了証、実務経験期間証明書の各写しを一緒に見ます。 開設者と施術管理者が異なるなら、施術管理者選任証明も加えます。一つの線に置けば、誰の書類かを区別できます。
この手順には、承諾までの日数を固定していません。日数を創作せず、承諾前の区間があることを資金表へ反映します。
予定表の終点は、申出書を出した日ではありません。
受領委任の申し出が承諾される時点までを一続きとして扱います。
注意点:届出は10日以内。変更も休止も同じです
開設届は、施術所を開設した後10日以内です。届出事項に変更が生じたときも、都道府県知事への届出が必要です。
施術所を休止または廃止したときは、その日から10日以内に届け出ます。
休止した施術所を再開したときも同様です。
施術所の住所が変わった場合は、新たな確約と申し出が必要です。最初の手続きをそのまま使えるとは考えず、変更後の手続きを確認します。 施術所の管理者が変わった場合は、取扱いを受ける手続きと辞退の手続きの双方が必要です。受領委任が施術管理者との契約だからです。
構造設備は、厚生労働省令で定める基準に適合させます。また、開設者は、施術所について衛生上必要な措置を講じます。
ファクタリングを利用するときは、装った高金利の貸付けを行う業者がいるため注意が必要です。
届出、申し出、資金を一枚にまとめても、それぞれの期限や要件は消えません。変更が起きた日も起点として記録し、必要な届出へつなげます。
今日やる一歩
まず紙に、開設日、開設届、添付書類、申し出、承諾の五つを書きます。
横一列に並べ、開設日から開設届までに「10日以内」と記入してください。
次に、添付書類を四つの欄に分けます。
施術所開設届、免許証、施術管理者研修修了証、実務経験期間証明書の各写しです。
開設者と施術管理者が違う場合は、施術管理者選任証明も加えます。必要な様式には、確約書、申出書、同意書、誓約書を置きます。 その下に、設備資金と運転資金の二つの欄を作ります。運転資金の欄には、承諾までを持ちこたえる分を独立して置きます。
公庫の制度を検討するなら、対象に当てはまるかを確認します。そのうえで、融資限度額7,200万円と資金ごとの返済期間を並べます。
最後に、承諾日を根拠なく埋めていないか見直します。
今日決めるのは架空の日数ではなく、待つ期間を資金から外さないことです。
参考にした公的資料
- 厚生労働省「柔道整復師法」
- 関東信越厚生局「柔道整復師の施術に係る療養費の受領委任に関する申し出等」
- 近畿厚生局「柔道整復施術療養費の受領委任を取り扱う施術管理者の要件について」
- 日本政策金融公庫「新規開業・スタートアップ支援資金」
- 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」
この記事は一般的な情報提供を目的としており、特定のサービスの利用を勧めるものではありません。
よくある質問
施術所の開設届はいつまでに出しますか?
柔道整復師法第19条第1項により、開設後10日以内に施術所の所在地の都道府県知事へ届け出ます。
受領委任の申し出に必要な添付書類は何ですか?
関東信越厚生局の案内では、施術所開設届・変更届の写し、免許証の写し、施術管理者研修修了証の写し、実務経験期間証明書の写しです。
施術管理者になるための要件は何ですか?
近畿厚生局の説明では、平成30年4月から柔道整復師の資格に加えて実務経験と研修の受講が要件に加わりました。
公庫の新規開業・スタートアップ支援資金の融資限度額はいくらですか?
融資限度額は7,200万円で、返済期間は設備資金20年以内、運転資金10年以内です。