資金繰りが苦しいとき|無料の相談窓口から始める
更新日: 2026-08-21
この記事でわかること
- よろず支援拠点は、経営上のあらゆる相談に何度でも無料で対応します。
- 中小企業活性化協議会は47都道府県すべてにあり、第一次段階までは無料です。
- 経営改善計画の策定では、対象となる費用の3分の2を協議会が負担します。
- 公庫の経営環境変化対応資金には、売上減少などの利用条件があります。
- 相談先の役割と融資条件を分けて確認し、今日できる一歩を選びます。
目次
まず結論:ひとりで抱えず、無料で相談できる窓口から始めます
資金繰りが苦しいとき、考えることは一度に増えます。借りるべきか、それとも中身を先に見直すべきか。誰に話せばよいのかも分かりません。
まず知っていただきたいのは、相談するだけならお金のかからない窓口があるということです。
各都道府県に置かれているよろず支援拠点がそれにあたります。ここは経営上のあらゆる相談に何度でも無料で対応しますと示しています。
借入金の返済が重く、自分では経営改善計画を作れない。そういう状況なら、次の候補は中小企業活性化協議会と経営改善計画策定支援事業です。借りる話であれば、日本政策金融公庫にも制度があります。窓口は、悩みの種類ごとに分かれています。
以下では相談・計画づくり・融資の3つを分けて並べます。全部を今日決める必要はありません。
仕組み:公的な相談先は、入口と再建で役割が分かれています
よろず支援拠点は、経営上のあらゆる相談を受ける窓口です。資金繰りだけを扱う窓口ではありません。
対象も広く取られています。中小企業・小規模事業者に加えて、NPO法人、一般社団法人、社会福祉法人などが含まれます。創業予定者も相談できます。
つまり、まだ何を相談すべきか決まっていない段階の入口として使えます。
一方の中小企業活性化協議会は、支援の中身が3つに分かれています。収益力改善支援、事業再生支援、再チャレンジ支援です。名前のとおり、立て直しの段階に踏み込んだ支援です。
広く話を聞いてほしいなら、よろず支援拠点を見ます。立て直しの筋道まで作りたいなら、協議会の支援内容を確かめます。ただし、相談できることと、借りられることは別です。
種類:よろず支援拠点は、何度でも無料で相談できます
よろず支援拠点は各都道府県に設置されています。扱うのは経営上のあらゆる相談で、分野は限られていません。
費用については、何度でも無料と示されています。
ここが大きな点です。一度で話し切れなくても、日を改めて続きを相談できます。回数を気にして、聞きたいことを削る必要がありません。
相談の前に、抱えていることを一つずつ分けて書き出すと話が早く進みます。売上が落ちているのか。返済が重いのか。入金までの期間が延びたのか。
書き出した項目は、あとで公庫の利用条件を確かめるときにも使えます。売上・利益・取引条件は、そのまま条件の判定項目になるからです。
種類:中小企業活性化協議会は、47都道府県にあります
中小企業活性化協議会は、47都道府県すべてに設置されています。支援は収益力改善、事業再生、再チャレンジの3つです。
費用は、段階によって変わります。
第一次段階までは無料で利用できます。第二次段階に進み、協議会が外部の専門家などに依頼する場合は、活動費などの一部を利用者が負担します。
ここを読み違えると、あとで戸惑うことになります。無料なのは第一次段階までです。どこから負担が始まるのかを、最初に聞いておいてください。
相談の前に、収益力の改善を求めているのか、事業の再生まで考えているのかを整理します。どの支援に当たるかが決まると、話す内容も定まります。
費用:専門家と計画を作るときは、3分の2を負担してもらえます
計画を作らなければならない。けれども、自分では作れない。そういう事業者に向けて、費用を軽くする仕組みが用意されています。
対象は、借入金の返済など財務上の問題を抱え、自ら経営改善計画を策定することが難しい状況にある中小企業・小規模事業者です。認定経営革新等支援機関に対して事業者が負担する費用のうち、3分の2を中小企業活性化協議会が負担します。
支援は2つに分かれています。
一つは早期経営改善計画策定支援で、通称は「バリューアップ支援事業」です。もう一つは経営改善計画策定支援で、通称「405事業」と呼ばれます。
名前が似ているため、公式の案内で見分けてください。負担してもらえるのは対象となる費用の3分の2です。全額ではありません。
比較:借りる手として、公庫のセーフティネット貸付があります
相談や計画づくりとは別に、借りるという手もあります。日本政策金融公庫の国民生活事業には、経営環境変化対応資金という制度があります。
制度名には「セーフティネット貸付」と付いています。融資限度額は7,200万円です。返済期間は、資金の使いみちで分かれます。
設備資金は20年以内で、うち据置期間(すえおききかん)は3年以内です。運転資金は10年以内で、据置期間はやはり3年以内です。据置期間とは、元金の返済を待ってもらう期間のことをいいます。
利率は基準利率です。ただし特定の要件に当てはまる場合は、特別利率Qが適用されます。
限度額より先に、自社が利用条件に当たるかを見てください。
条件:経営環境変化対応資金を使えるかを確かめます
この制度を使えるのは、示された条件のいずれかに当てはまる場合です。数が多いので、順に見ていきます。
売上で見る条件は2つあります。最近の決算期における売上高が、前期または前々期に比べて5%以上減少している場合が1つ目です。
2つ目は、直近の3ヵ月で見るものです。最近3ヵ月の売上高が、前年同期または前々年同期に比べて5%以上減少していること。加えて、今後も売上減少が見込まれることが必要です。
利益で見る条件もあります。
最近の決算期における純利益額または売上高経常利益率が、前期または前々期に比べて悪化している場合です。決算書が手元にあれば、その場で確かめられます。
取引条件から見る道もあります。回収条件の長期化や、支払条件の短縮化などが対象です。最近の取引条件が0.1ヵ月以上悪化していれば該当します。
社会的な要因による一時的な業況悪化も条件に入ります。それにより資金繰りに著しい支障を来している方、または来すおそれのある方が対象です。
赤字についての条件もあります。最近の決算期で赤字幅が縮小していても、税引前損益または経常損益で損失が生じている場合が当てはまります。
売上・利益・取引条件・業況・損失のどれに当たるかを、公式の一覧で確かめてください。
注意点:税金と社会保険料の遅れは、別の窓口に相談します
税金や社会保険料の遅れは、ここまでの窓口とは分けて扱います。相談する先が違うからです。中身は上のページにまとめてあります。
資金繰りの悩みは、ひとまとめにすると動けなくなります。経営の相談、計画づくり、融資の条件確認、そして税と社会保険料。
4つの箱に分けて、それぞれの窓口へ持っていくのが早道です。
今日やる一歩
今日の一歩は、悩みを短く分けて書くことです。紙1枚で足ります。
経営全体の話を聞いてほしいなら、よろず支援拠点です。何度でも無料です。まずは電話やメールで予約を取ります。
立て直しの筋道まで作りたいなら、中小企業活性化協議会を見ます。第一次段階までは無料で利用できます。計画を自分では作れないなら、経営改善計画策定支援事業の対象を確認します。費用の3分の2を協議会が負担する仕組みです。
借入を考えるなら、決算書を開いて公庫の利用条件と照らします。売上、利益、取引条件のどれかが動いていないかを見ます。
今日できるのは、無料の入口に連絡を1本入れることです。
参考にした公的資料
このページは資金調達の判断材料をお伝えするものであり、特定のサービスの利用を勧めるものではありません。制度や条件は変わることがあります。実際のお手続きの前に、必ず各機関・各社の公式サイトでご確認ください。
よくある質問
資金繰りが苦しいとき、最初にどこへ相談できますか?
各都道府県にあるよろず支援拠点は、経営上のあらゆる相談に何度でも無料で対応しています。
中小企業活性化協議会への相談は無料ですか?
第一次段階までは無料ですが、第二次段階で外部の専門家などに依頼する場合は活動費などの一部負担があります。
経営改善計画を自分だけで作れない場合に支援はありますか?
対象となる中小企業・小規模事業者が認定経営革新等支援機関へ負担する費用の3分の2を、中小企業活性化協議会が負担します。
公庫のセーフティネット貸付の融資限度額はいくらですか?
国民生活事業の経営環境変化対応資金は、融資限度額が7,200万円です。